回想シーンでご飯3杯いける

人生に乾杯!の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

人生に乾杯!(2007年製作の映画)
3.5
生活苦に悩んだおじいさんが銀行強盗を実行。おばあさんも味方について、愛車のクラシックカーで逃走劇を繰り広げるという、ハンガリー産のロードムービー。

”余命僅かな”2人が逃走劇を繰り広げるという意味では、ドイツの名作「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」に近いかも。

老夫婦のクスッと笑える珍道中の体裁をとりつつ、2人が犯行に至った背景にある年金問題をしっかりクローズアップして、社会派作品としての性質がむき出しになる中盤の展開がいかにもヨーロッパ映画らしくて良い。この辺のアプローチは、ケン・ローチ監督作品「わたしはダニエル・ブレイク」にも通じる。

冒頭の前日譚やラストのオチも小気味よく、表面的な意味合いではなく、本当にお洒落な作品だと思う。