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永遠に僕のもののRのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
3.5
んーーーービミョーーーー前半は結構良かってんけど、後半どうでもよくなってちゃんと集中して見られへんかった。原題は
El Ángelで、天使という意味なのだが……主人公のカルリートス君。彼は天使のように美少年。美少年……美少年? ほんまに? ……彼は美少年、彼は美少年、彼は美少年、と自分で自分に言い聞かせないと、彼を美少年と思えない人も多いでしょう。美少年でなくはない。けど、言うほどですか? 顔の造形キレイなのかなー? 唇がウニッとなりすぎてるような気が……イヤリングをつけるシーンだけはすげーキレイな女の人みたいに見えた。けどなー、猫背にちかい姿勢があまり見栄え良くないし、猫背のためか肩と腕と上半身のバランスが悪くなってるし、まだ若すぎて裸になると幼児体型で、おなかポコっとしてるし、あとなーんか全体的に粗野で雑な感じがする。ハマる人はそのへんがいいのかな? ショタっ気のある人にはたまらないのかも。このカルリートス君は、泥棒です。人の家にふらっと入って、レコードをかけ、楽しそうにダンスしながら、物色し、いろいろいただいて帰っていく。オープニングのダンスシーンはすごくいい! 1970年代の全身タイトに足もとゆるゆるベルボトムのファッションで、おそらく当時流行っていたであろう動きでクネクネ踊るカルリートスは、確かに他ではお目にかかれない魅力がある。てか普通にダンスがイケてる。少年院から出てきたばかりの彼は、新しい学校に転校し、ゴルゴ13みたいな顔つきをしたラモン君に目をつけて、彼に喧嘩を売ることで仲良くなっていく。僕からしたら、喧嘩を売ることで仲良くなるってこと自体が意味不明なんやけど、ワルたちの世界とはそういうものなのか、ふたりは互いに惹かれ合う。けど、同性愛なのか何なのか、ビミョーなラインを行ったり来たり。同性愛色強いけど……その様子がスリリング。で、カルリートスはラモンの犯罪者家族とも仲良くなって、みんなで泥棒チームを形成。パンツいっちょでソファにだらしなく座るラモンのお父さんのチンコがトランクスの端から見えてるのを、ギョッと見つめるカルリートスのカットはいったい何だったんだ笑 ほんで彼らは大規模な泥棒計画を実行するねんけど、あまりにも人間的感情の欠落してるカルリートスはBang! Bang! 邪魔な人を殺し始め、しかも自分らだけの秘密にしておくべきことを、そこここで軽ーく口外してしまう。😐 要するにアホなんです。アホな美少年(言うほどでもないけど)が、人間はそもそも自由だろ、なんでみんなもっと自由に生きない? とか言いながら、やりたい放題犯罪しまくる。というストーリーの裏で、じんわり漂うホモセクシュアリティー。ジェラシー。あと、カルリートスの家族の苦悩。カルリートスのお母さんを演じてるのが、僕の大好きな女優セシリアロス。だいぶお婆さんになってきた。けど、それがまた味わい深い魅力になってる。人生うまくいかない悲しみが滲み出てて、かわいそうだった。で、途中、警察沙汰をきっかけにラモンがカルリートスを見捨て、いきなりテレビに出たり、フェラされたり、さぁ大変……くらいから、ボクはだんだん、彼らが犯罪してるのどうでもよくなって、カルリートスくんのセンチメントもどうでもいいし、どんどんエモーションが削がれていって、それにしてもなんで男ってされるにもするにもフェラが好きなんだろう……😣と変なこと考えはじめて、考えてたら映画に集中できなくなって、エンディングの頃には、あ、そう、それで終わるのですか、よかったんじゃない。何もかもどうでもよくなってしまってました。もう踊っときゃいいやん。本作で群を抜いて良かったのは音楽です。どのシーンも音楽がカッコよかった! 流れる曲流れる曲どれもクール!!! 特に僕の大好きなThe House Of The Rising Sunという曲のスパニッシュバージョンがすごくよかった。いちばん胸に響いた! この曲はいろんなアーティストにカヴァーされてるけど、今んとこ、ちあきなおみの『朝日のあたる家』がNo.1で、ひょっとしたら本作で使われるPalito OrtegaのカヴァーがNo.2になってしまうかもしれない。ぜひ皆さんにも聴いてもらいたい楽曲です。星3.5はかなりの部分音楽が占めてる。映像も明るくてホットでスタイリッシュでよかったけどねー。時間がないなかわざわざ頑張って見るほどではないな。ちなみにこのストーリー、アルゼンチンでほんとにあった絶世の美少年による事件を基にしてるらしいです。あの日の美少年はいまでは見る影もなく、みすぼらしいオッサンになってしまったのだとか。年とるとそれまでの人生がその人の外見にぜんぶあらわれるとはよく聞く話やけど、そんなん言われたら最高のお爺さんになるしかないんで、頑張ります!!!
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