聴く映画。こんな体験は初めて。
舞台となるデンマークは九州くらいの小さな国で、マイナンバー先進国。
緊急ダイアルの現場ではかかってきた電話番号だけで犯罪履歴、住所、車のナンバーまでもまるわかり。
普段から大きな事件もなく、暇そうなオペレーター室。どうやら主人公が置かれているのは警察の中でもハズレの部門のよう。
主人公以外の顔は全く映らない。だけど開始10分くらいで大体の関係図は見えてくる。
スクリーンに映るのは主人公の顔(ドアップ)のみ。
始まりから終わりまで一貫してこちらの想像力に委ねてくる。
耳をすまして受話器の向こうで起きていることを想像するしかなく、主人公と同じ状況を体感できるリアリティがすごい。
また、BGMはない。
悲しい曲もドキドキする曲もなにも。
なのにこんなにハラハラドキドキ、たまにクスッとさせれるというのは 細かいテクニックがあってこそ。
無音がこんなに効果的とは。
最後に、タイトルが素晴らしい。
観終わった後になぜこのタイトルなのか必ずわかる。
有罪なのは、誰なのか?
都心でも上映館は少ないですが、ぜひ観に行っていただきたい。