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THE GUILTY/ギルティのArbuthのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
5.0
非の打ち所がない傑作!

スクリーンに映し出されるのは、ほぼ緊急通報センター勤務の主人公アスガーがヘッドセットで電話の相手と会話する姿のみ。ストーリーは全てアスガーが聴く音声の中だけで進む。サスペンスというジャンルの新境地。他の人も言ってるように「サーチ」を思い出したけど、それよりも更に舞台は限定的。こんなに舞台が限定されてるのは他に「15人の怒れる男」しか知らない。
そして全編にわたりほぼアスガーの一人芝居。電話の相手は何人もいるが最後まで顔は明かされない。
このアスガー演じるヤコブ・セーダーグレンさんの芝居力がエグい。
作品の作り的に、この人の演技に作品の出来全てがかかってるから高い演技力が要求されるのは当然かもしれないけど、この人の特に後半の芝居は神がかっていたと思う。
ストーリーが進み事態が緊迫するにつれて、最初は冷静だったアスガーが過熱し、暴走していく様には観てるこっちにまで緊張感が伝染したし、終盤クライマックスで心の奥底までさらけ出す長回しのシーンには瞬きも忘れて見入ってしまった。

タイトルもいいなぁ。
何の罪なのか?
誰の罪なのか?
考えさせられるいいラストだった。

シアターギルド代官山のプレオープン特別上映会に当選して鑑賞。
ワイアレスヘッドフォンで聴くタイプの新しい映画館で、アスガーの状況にマッチしていた。良い作品のチョイス。
映画館で高音質な音響でこれ鑑賞できてよかった〜。
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