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CLIMAX クライマックスのnanaaronのネタバレレビュー・内容・結末

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

なんだこれ凄いなww想像はしてましたが、相当えぐられましたね…

できれば2度と観たくないww(観る)

のですが、同時に、ピュアなアシッドトランス系映画を徹底した完成度で作らないと辿り着けない境地に対しては、感心というか、畏敬さえ感じますね。

誰も信じられなくなる過程の不安心理が超的確で、観客の中に共感する人も多いでしょう。

ちょっとギョッとするような不自然な動きで胸を騒つかせる踊り。意外性。ひたすら同テンポで打ち込まれるリズム。普遍性。

ドラッグが全然抜けなくて、途方にくれるダンサー達と同じ境遇にぶち込まれるというか、全く休ませてくれないところもリアルでシビアっすね…

そして途中から完全に狙ってるとしか思えない生産性ゼロの会話w

下ネタの嵐。もはや野生じゃw

10を聞いて1を知る。他人の9を自分で補完した上でまた10投げつけるの繰り返し。ジャンキー式コミュニケーション。

からの集団密閉型の勘繰り合戦w

じわりと地獄の様相を見せてくる。

「誕生は特別な機会!」「生きるとは、社会的不可能性!」「死ぬのは、特異な体験!」

だっけ?

神からの啓示がクールに挟み込まれるの、ほんまにサイコーやな。

人間トランス化の仕組みだけでなく、バッドトリップ発火の為の導火線を豊富に持ち合わせているノエ監督です。

子どもが参加してるイヤーな感じから始まり妊娠とか近親相姦やら鍵紛失のくだりとか、ほんとに飲み合わせ注意みたいな劇物をたっぷり口に含んだ状態でスタートしてるんですよ。

終わってから考えると、シラフの時との対比で最初の自己紹介みたいなビデオが効いてきます。脚本家の人?とてもいい質問をしています。

シラフがどんだけ特異で危うい状態かも分かる。

壊れないために必要で最低限の条件はやはり、
・音楽を止めないこと
・踊るのを止めないこと
これに限るでしょう。
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