もし今、わたしが死んだら？
私の部屋の中, クローゼット, 本棚, 壁の写真, ベッドの上… きっと私の生きた証しが存在しているはず。誰にも見せていない隠していた残骸さえも。
主人公タイラーは会ったこともない父の死を受け、彼が遺した家を訪れる。
惹かれるように集めた残骸、惹かれるように身に纏う父の服、惹かれるように出会った青年…
日本での本作の押し出し方を "官能"一色にしたことはとても残念。
家族、恋愛、ルーツ、パーソナルなもの。
これは何者でもなく, まだ何者にもなれていない若い女性がアイデンティティを手にしていく物語。
まだ旅立てないのは助けるべき人がいて、
必要な時には旅立てない人が側にいてくれる。
だからもう旅立っても良いんだよ…
