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赤毛のアン 初恋のumisodachiのレビュー・感想・評価

赤毛のアン 初恋(2016年製作の映画)
2.8
今週は時間配分が色々とうまくいかず、なんとか時間の調整がつけられたのがこの作品。言わずと知れた『赤毛のアン』の実写映画化3部作のうちの2作目だ。

アンは13歳になっている。小さな騒動を繰り返す平和な日々の中、徐々に芽生えていくギルバートへの恋心が描かれていく。なんというか、『ミス・マープル』のドラマ版を見ているような懐かしい気持ちなった。え?これ現代の映画?という感じなのだ。もちろん、エピソードは『赤毛のアン』そのものなので(注:マシューの描写を中心にオリジナル要素も多少はある)、ノスタルジックな雰囲気なのは当然なのだが、映像の感じや演技のテンション、そしてエピソードとエピソードの唐突な繋ぎ方が……なんともレトロ。今どき、ここまで新しさを排除して映画を作る方が勇気が必要なのでは?と思うほどだ。

役者は概ね良い。アン役のエラ・バレンタインは、聡明で軽率な愛らしい主人公の魅力を全方位に振りまいているし、ダイアナ役のジュリア・ラロンドも、誰もが想像するダイアナのイメージにピッタリだと思う。マシュー役のマーティン・シーンとマリラ役のサラ・ボッツフォードも素晴らしい。ただ、他の大人役の中には、「さすがにちょっと年齢高すぎるのでは?」と思う人もいた。

ただ、映画館で観る必要があるかは疑問だが、良作であることは間違いない。特に、セリフが大切にされているので(当たり前だが)、ハッキリくっきり聞き取りやすくて、英語の勉強にピッタリ仕様になっている。あと、どちらかというと目線が大人側かな。成長するアンたちを見守り、正しく導いていかなければいけない大人側に重心が置かれている気がする。マーティン・シーンの存在感がありすぎるのでそう感じだけかもしれないが。
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