八巻綾さんの映画レビュー・感想・評価

八巻綾

八巻綾

元イベントプロデューサー。演劇や映画に関するライター活動を細々とやっております。めがね新聞コラム【映画と舞台とめがねと】連載中。お仕事の依頼はこちらまで!→ aya.shonan@gmail.com

映画(67)
ドラマ(0)

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

4.2

アッパーイーストサイドに住む裕福な夫婦の1人息子として生まれたトーマスは、大学を卒業してからロウアーイーストサイドに1人で暮らしている。本屋で出会った女子大生ミミに想いを寄せているものの、彼氏がいる彼>>続きを読む

娼年(2018年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

石田衣良の原作小説を三浦大輔が舞台化し、松坂桃李が主演した舞台『娼年』はかなりのインパクトで、心身ともに消耗しつつブログを書いた記憶がある。記事には批判的な感想も書いたが、衝撃的な舞台鑑賞経験だったの>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2016年製作の映画)

4.3

光州事件を取材し発信したドイツ人記者と、彼を送迎したタクシー運転手を描いた映画。実話を基にしており、韓国で大ヒットした作品だ。

民主化要求の動きが盛り上がった1980年、光州市では市民と警察・軍が
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.8

ニクソン大統領政権下に起こった実際の出来事を描いた作品。スティーブン・スピルバーグ監督。

ベトナム戦争を分析した最高機密文書"ペンタゴンペーパーズ"の存在を、ニューヨークタイムズがスクープ。大統領は
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

綿矢りさによる小説の映画化。恋愛経験のないOLが生まれて初めて告白されたことで動き出す物語。

まさに和製『アメリ』。松岡茉優が演じる主人公ヨシカがとにかく豊かで、目が離せない。

【ネタバレして
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.1

トーニャ・ハーディングのフィギュアスケートスキャンダルを描いた作品。ハーディング役をマーゴット・ロビーが演じている。

貧しい母子家庭の家で育ったトーニャは、幼いころからフィギュアスケートの才能を発
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

4.0

面白かった!もともとの『ジュマンジ』が大好きなだけに、期待感で一杯だったが裏切られることはなかった。

米国在住の兄からオススメされていて、「〇〇な子がゲームの中に入るとドウェイン・ジョンソンになっ
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.4

プロテニスプレイヤーの男女間の待遇格差に異議を呈し女子テニス協会を発足し、元世界チャンピオンのボビー・リッグスとの試合に臨んだ伝説の女性テニスプレイヤーであるビリー・ジーン・キングを描いた作品。
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

チャーチルが首相に就任してから、ダイナモ作戦を発動するまでを描いた作品。ゲイリー・オールドマンがアカデミー賞主演男優賞を、そして彼の特殊メイクがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したことでも話題に>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

35年の時を経て製作された『ブレードランナー』の続編。

労働源として開発された人造人間"レプリカント"。感情が芽生え人間に対してクーデターを起こそうとするレンプリカントを解任(抹殺)する特殊捜査官
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

不穏!不快!好き!いやー、ちょっとこれは…かなり人を選ぶ映画だということは間違いない。

心臓外科医のスティーブンは、眼科医の美しい妻とティーンエイジャーの娘、小学生の息子と暮らしている。豪邸に住み、
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

黒人のヒーロー『ブラックパンサー』がアメリカで熱狂を呼んでいるらしい。ということで観てきた。なお、私はアメコミに全然くわしくないので、キャラの相関とか位置づけとかはまるで分からない。

アフリカの隠
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.1

ミヒャエル・ハネケ監督の最新作。今回も不快!かつ、わかりにくい!とても良い!

カレー地区で建設業を営む裕福なロラン家。家長のジョルジュは娘のアンヌ会社を継がせ、今は引退している。アンヌは息子のピエ
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

2015年に起こったテロ事件に至るまでを、当事者をキャストに起用して描いた異色作。

「至るまで」といっても、テロが起こるまでの顛末については触れられない。描かれるのは、列車内で起きたテロ銃撃事件に
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

ギレルモ・デル・トロ監督の最新作。

声の出せない女性と、異形の者との許されざる恋。冷戦下におけるアメリカとソ連のスパイ合戦。高圧的かつ暴力的な上司による拷問と迫害。あらゆるところに意図的に使われる
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.4

岡崎京子の傑作『リバーズ・エッジ』。
私がこの原作を読んだのは社会人になってからだったが、読んだときの衝撃は忘れられない。

原作に登場する高校生たちからは少し年下になるが、私も90年代に学生時代を
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

これは、紛れもないミュージカル映画だ。

『ラ・ラ・ランド』がナンバー数とスキルの面で、ミュージカルと呼ぶには物足りなかったのに対して、『グレイテスト・ショーマン』の曲数と力量は申し分ない。10分に
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.6

観たのはけっこう前だけど……。

『ブロークバックマウンテン』で夢に見て苦しむほど心を抉られた記憶が未だ鮮明な私としては、確実にダメージを受けるに違いないと思いつつ、観ないわけにはいかなかった。

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神のゆらぎ(2014年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

信仰とはなにか?罪とはなにか?神の裁きとはなにか?"全能の神"に挑戦状を叩きつけるシリアスな作品だった。

エホバの証人の信者である看護師と、白血病のフィアンセ。ギャンブル中毒の夫と、アルコール中毒の
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神様の思し召し(2015年製作の映画)

3.7

腕は良いが独善的で感じの悪い外科医が、ある神父と出会うことで変わっていく物語。

傲慢で嫌われている外科医トンマーゾ。娘はバカっぽい不動産屋と結婚し、妻に対しては冷めている。

そんな中、医者になって
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デトロイト(2017年製作の映画)

3.7

1967年のデトロイト暴動と、モーテルで起こった白人警察から黒人への不当尋問を描いた作品。

もっとモーテルのシーンにフォーカスしているのかと思ったが、もう少し視野が広い映画だった。デトロイト暴動自
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

やられたらやり返す!喧嘩上等!タイプの母親、人望厚く不治の病に侵されている署長、人種差別主義者で暴力的な警官。

ストーリーはどんどん意外な方向に進んでいき、物語は、順番にこの3人の視点を移動してい
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彷徨える河(2015年製作の映画)

3.6

2015年カンヌ国際映画祭監督週間で最高賞を受賞したコロンビア映画。

いやあこれは……完全なるトリップ系映画。凄まじかった。映像は白黒で、基本的には淡々と進行していく。会話は必要最低限しかなされず
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5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.8

いやあ、純粋に面白かったし感動した。たまにはこういう分かりやすい映画も良いな。

ドイツ人の母とスリランカ人の父との間に生まれた主人公は、聡明で行動力があり、しかもチャーミング。視力のことを正直に言う
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

独特の色彩感覚と、散りばめられたメタファー。現実とも妄想ともつかない悪夢のような世界がスクリーンいっぱいに広がり、観る者の右脳を強烈に刺激してくる。ニコラス・ウィンディング・レフンの本領発揮といえる快>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.0

映像化は不可能だと言われる、新井英樹のマンガ作品『ザ・ワールド・イズ・マイン』の翻案とも言える作品。トシモンが、そこにいた。

ただ衝動で他者を傷つける少年・泰良を、柳楽優弥が演じている。怒りもなく、
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

3.0

ジョージ朝倉による原作漫画の実写映画化。これは……評価がまっぷたつに分かれているのも頷ける映画だ。

正直、演出というか、編集というか、映画としてはかなり歪。無駄に長いシーンがあるかと思えば、変なと
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

『沈黙-サイレンス-』は、私にとってかなりハードな作品で、相当に精神力を使った。原作は中学生の時に読んでいる。それでもキツかった。

なぜなら、私自身がカトリック教徒だから。カトリック系の小学校に入
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.8

韓国では700万人が観たらしい。大ヒットだな。

サスペンスかと思ったら、思いっきりオカルトホラーだった。しかも、キリスト教系オカルトホラー。

韓国の一流俳優たちに交じって、謎の日本人を演じてい
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.5

イギリスの巨匠ケン・ローチ監督の新作。カンヌ映画祭パルムドール受賞。経済格差と弱者に厳しい社会制度に鋭い眼を向けた作品だ。

まるでドキュメンタリーのように淡々と語られる作品。音楽もほとんどないし、
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2016年に観た映画の中で、「完璧な作品だな」と思ったのは『ブルックリン』だったが、『ムーンライト』はそれを超える。完璧としか言いようがない作品だった。

物語は、少年期、青年期(高校)、大人期とに
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ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

へんてこりんなダークファンタジーを期待していたのだが、全然違った。

『シックス・センス』を観たことがあったり、同種の事件を知っている人間ならば、プロローグの段階でオチは読めてしまう。ファンタジーでは
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希望のかなた(2017年製作の映画)

-

アキ・カウリスマキ監督作。テーマは移民問題だ。

内戦によって家を亡くしたシリア人のカ―リドは、フィンランドに流れつく。亡命の途中で別れ別れになってしまった妹のことを心配しつつ、難民申請をしてフィン
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.2

何とも見事な作品だった。父親の冗談は爆笑というよりは失笑を誘うもので、ヴィンフリートとイネスの間には常に気まずい空気が流れているのだが、仕事人間で感情を忘れてしまったかのようなイネスが、終盤で畳みかけ>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スタイリッシュな映像と音楽、英国紳士とスパイというスパイ映画好きの心をくすぐりまくる設定、スタイリッシュでありながら、お下劣&お下品な描写満載のくだらなさ、コリン・ファースやマーク・ストロングら素敵す>>続きを読む

否定と肯定(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1990年代に実際に起きた裁判を実写化した作品。ホロコースト否定論者を著作の中で批判したユダヤ人歴史学者が、名誉棄損で訴えられる。

アメリカ人である主人公(被告)がイギリスの裁判制度に戸惑う様や、
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