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貴公子のumisodachiのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
4.4

フィリピン人と韓国人の間に生まれたマルコは闇ボクシングで稼ぎながら病気の母親と暮らしていた。ある日、誰なのかもわかっていなった韓国人の父親が自分を探していると告げられ、あれよあれよという間に韓国へ行くことに。しかし、機内で怪しい男「貴公子」が近づいてきて……。

仕立ての良いスーツにバッチリ決まった髪型。常に柔和な表情を崩さない「貴公子」のキャラ設定が面白い。伊藤健太郎みたいな顔をしたマルコは、警戒心が強いようでいて他人を信じやすい体質なようで、次から次へと現れる人物に翻弄されまくる。人間離れした身体能力でひたすら追いかけてくる(T2ばり)貴公子から必死で逃げるというのが前半の流れではあるが、マルコが巻き込まれている目論見の全貌が段々と明かされていく構成も謎解き要素があって楽しい。

正直、後から振り返ると「だったらあのときこう言っておけばよくない?」と疑問に感じるところも多々あるのだが、そういった細かいことを指摘するのは野暮だろう。あくまでも軽いタッチでスピーディーかつコミカルに進んでいくノワールもの。ツッコミも上等!とばかりに笑いの要素が「敢えて」組み込まれているのだから。

おそらく続編が作られると思うので、次回作にも期待。こういう映画は飛行機とかで観るのがベストかな。

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