たき

左様ならのたきのレビュー・感想・評価

左様なら(2018年製作の映画)
3.5
ものすごい終わり方をする。

生きるって、しんどいですね。
社会って、ひととひととのつながりあってこそ成り立っているはずなのに。
どれだけ表向きはきらきらしていて、めいっぱい和気あいあいとしていたとしても、一皮むけば面影もない。
逆恨みでハブにしたり、それを恐れてとことん自分を殺したり、影ではなにを言っているのかわからないのは当たり前、

大好きだったはずのひとが死んでも、涙ひとつこぼさない。

でもそれは、
それだけはもう結局現実から逃げてるからじゃないかとか罵られようとも、言ってあげたい。せめて言ってあげたい。

ひとは、あまりに悲しすぎると泣けないときもある。

なんというお話をつくるのか、とおもう。
泣けない理由の真偽がどうあれ、こういう、なんとかしてあげたい、と切に思わせる、そう、観るものに労りと思い遣りを想起させることが目的であったのだとしたら、ものの見事に手のひらの上で踊らされているのだろうけども。

さようならの語源は、タイトルにもある「左様ならば、仕方ない」からきているのだそう。
どんなにつらい現実も、毅然と受け入れるからこそ放つことのできる言葉。
そう言えるひとにならなければ、さらにさらにつらいことが待っているのですな。
たき

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