高校生の時かな、友人の家に集まるとなぜかよく「シャイニング」を観ていた。その人はアカデミー賞なんかの映画のビデオをダビング(当時はね)コレクションしていて、他にももちろんたくさん観たのだが「シャイニング」はかなりの頻度で観せられた。
とりあえずビール ならぬ
とりあえず「シャイニング」(笑)
オープニングから即、懐かしさが溢れてきた。
幾何学模様やシンメトリー、山をなぞるカメラワーク、あの時語り合った雰囲気を残してくれてありがとう。
前半、怖かった(泣)
シャイニングの話は最初は少しずつ、そして後半にかけてスポットライトが当たっていく。
心に残ったのは「ドクタースリープ」と呼ばれる所以のところ。
私は少し前に生き延びた経験があり、あの寄り添いには甘美なほどに憧れた。突き刺さる。
ストーリーは原作とキューブリック映画の両方を引き継いでいるのが見事。
マクレガーもそこに注視したらしい。
40年の時間を経て回収されたというのも感無量(あの後にキングのドラマがあるけれども)
子供の頃あんなに怖い思いをしたのになぜまたあの場所へ行ったのか?
主人公にとっては決着をつけるためで
我々にとっては完結させるため。
少しネタバレ入ります。
双子とかおばあちゃんとかちゃんと出てくるのも良いが、父との対峙の前のラウンジのテーブルの並びにうっとり。
あの斧で空いた扉の隙間から覗くシーンは鳥肌もの。
雪の山道を行く空撮シーンも良いね。心の底がじんわり温かくなった。
アブラ役の女の子の演技もなかなか。大人っぽいところグッときた。
ユアン・マクレガーもこういうの合う。
レベッカ・ファーガソンもキマってた。のだけれど、あのファッションはここには違和感あったな…
それを言ってしまうと、キューブリック版の色彩のメリハリや感覚はほとんど感じない。血の海とかも。ちょこっとイメージと違ったのが少しさびしかった。この点においてキューブリックは天才というか鬼才ということなのだろう。
私のベストはダニーがアブラに告げた最後の一言の台詞!
結末はあの場所で決まりだ。
ストーリーはやっぱり物悲しい。
エンドロールの余韻がそれを煽る。
余談
学生さんくらいの姉妹とお母さんで観に来てる家族と見受けられる3人組が居て、家族でこれ観るんだ、何かいいなと思った。
で、割と近くに座っていて、女の子、TOHOシネマの予告の合間のちびゴジラで笑ってて、なんで?(笑)って思った(笑)