yuu223

マチネの終わりにのyuu223のレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
2.8
原作の大ファンで
「蜂蜜と遠雷」とともに
映像化に疑問を感じ続けていた作品で
最後まで観るかどうか迷った末に
イオンシネマのハッピーマンデーを
利用して鑑賞

6年の歳月を辿る構成ですが、
平野啓一郎さんの原作が壮大過ぎて
設定や解釈が異なるのは仕方のないこと ・
にしても

フジテレビのドラマ感に終始
これでもかとやられてしまいました
そして、残念なことに

「薪野さんは福山雅治では、ない。
ぢゃ、誰だったら納得するわけ?」

という陳腐な疑問に約2時間
囚われることに、、、泣

パリ、ニューヨークの
素晴らしい季節と景色がふんだんに
撮られ、費用もたくさんかけられて
いるのはよく分かります

が、もっともっと映画然とした
作りにできたのでは?

原作を読んで、胸が苦しくなるのは
年齢を、歳月を重ねるからこその
ままならさ、葛藤が多面的に
描かれているからこそ
その構成があまりにも雑で残念でした

あと、何故バッハに関するくだりを
バッサリ切っているのか
私は劇場でバッハを聴く気満々だったので、呆然でした

原作と映像化を比較するのは
タブーなのは重々承知していているし
どちらかといえば自分は寛容な方だと
いう自覚もあるけど
ただ美しく、切ない大人の恋愛映画なら
実写化の必要はないのかな、と

ただ、早苗を演じた
桜井ユキさん
NHKの深夜ドラマから注目している
女優さんなのですが
携帯のくだりの葛藤のシーンと
泣きの演技と自分の人生は彼そのものだと
言い放つカフェでのシーン、すごく良かったです
闇?病み?を抱える役回りが
これから増えそう

劇場は歳上のマダム層がほとんどを
占めていました
そう、あえて若い子に紛れることなく
大人だからこそ理解し、堪能できる
ものを味わうのも大切だなぁと
しみじみ感じました
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