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マチネの終わりにのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.0
「しっとり系ラブロマンス」

芥川賞作家・平野啓一郎の同名小説の映画化。監督は「容疑者Xの献身」「昼顔」の西谷弘。

平たく言えばギタリストが婚約者がいるジャーナリストに恋をするが2人のすれ違いをきっかけに離れていくっていう大人のラブストーリー。ティーン向けの恋愛モノにはない空気感があるが、正直物語が動く前半までしっとりな演出もあって退屈だった。

しかしある事件をきっかけに2人が離れてからは面白かった。すれ違うようにした戦犯という元凶の人物が実はいる。その行動を取った時にマジかと驚くと同時に無いわとも思ったが、最後まで見ると何故か嫌いになれない自分がいたわ。ラストで2人は再会を果たすが、その後どうなったかは想像に任せるという幕引きもこのテの恋愛モノにはないラストで素晴らしい。

でもなあ、すれ違いのさせ方がやや強引に感じるし、会っといて電話番号聞いてなかったんかい、ってなるし、石田ゆり子側の婚約者の背景が少ないせいでいきなり仲悪い描写見せられたり、雑な描写や足りない描写が色々あると感じた。小説版は未読だが、色々カットされてると聞いてやっぱそうだよなと思ってしまった。

歯に浮くような台詞の数々や、年齢層が高めな恋愛モノだけど、ホールでギターを弾く福山雅治は実に様になってるしビジュアル的な面は良い。なんか色々惜しかったが、嫌いではない作品だった。