kyoko

陽のあたる町のkyokoのレビュー・感想・評価

陽のあたる町(2017年製作の映画)
-
ジョージア・チアトゥラ。
旧ソ連時代にマンガン採掘場として栄えた町。
今やゴーストタウンと化した町を、錆びついたケーブルカーが見下ろしている。

音楽教師は町の人や子どもたちにジョージアのチョングリという弦楽器を教えている。と思ったら廃墟で地道に鉄筋を抜いて生活の足しにしていた。いいのか?それ。

家族と離れて暮らす男は採掘場で働きながら演劇をやっている。これが結構本気のちゃんとしたヤツ。これを一体何人の人に観てもらえるんだろう。

女の子がふたり、黙々と陸上競技の練習をしている。双子?どうやらかなりの逸材でオリンピックも目指せるレベルらしい。一日一食しか取れない経済状況でこれ以上厳しいトレーニングができないとラジオでコーチが支援を呼びかけている。まじか。

まるでディストピアのように外界から取り残されながらマンガン採掘は今でも細々と行われている。毎年死者が出るような劣悪な環境で、生活は恐ろしく貧しい。それでも歌や踊りや演劇という芸術的な豊かさを失わない、なんだか世捨て人の国という感じがした。
kyoko

kyoko