障碍持ちの自閉症の妹を売春させる、片足に障害を持つ兄。
厳しい貧困、障害、生きづらさの中を正しくない方法で生き抜こうとする兄妹の話。
正直好きかと言われると全然好きじゃなかった。けどものすごい映画だった。
重いテーマで悲しい話かと思ったら、渦中の2人は売春を機に希望を見出したりしていて。そこに人間の美しさと救いのなさも垣間見えた。
障碍者の「性」という今まで考えてこなかったテーマを突きつけてくるし、そこに留まらず倫理的な正しさとは、幸せとはというところまで考えさせる。
その上で社会派映画ではなくしっかりエンターテイメント然なのもすごい。
細かく思い出したくもないようなエグいシーンが多くて、もう観ることはないだろう。
最序盤で妹の全裸暴れシーンが出た時点で、この映画の倫理観はもうバグってしまった。その後の売春シーンなんて言うまでもなく。
でもそうやって倫理観と言って蓋をしてきた、「見たくないもの」を直球でぶつけてくる映画はとても稀有なんだと思う。
とにかく主演2人が凄すぎた……
