特濃ミルク

目撃者の特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

目撃者(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 集合住宅に住む主人公。深夜に飲み会から帰ったところ、外から女性の悲鳴が聞こえる。ベランダから様子を見ると、逃げ惑う女性とそれを追う凶器を持った男の姿が…。殺人現場を目撃してしまった主人公だが、面倒な事に巻き込まれたくない、と保身に走り、警察の捜査にも協力しない。その一方犯人の男は、事件の目撃者たちを消すために動き出していて…。
 最初の目撃シーンからハラハラして(あのサイコパス診断みたいな行動怖い)、いい緊張感があったんだけど、なんか展開を追うごとに犯人の行動が大胆になっていったり、かなりの規模の土石流に巻き込まれたのに主人公が普通に生きてたりと、さすがにリアリティに欠けるだろという描写がちょっと気になった。極め付けはあまりにも頑固に情報提供をしない主人公…。それが一番引っかかる。
 まあ伝えたいことはすごいストレートに伝わってくる。目の前で起こった事件に対して、誰もが見て見ぬふりをする、当事者になろうとしない、被害者が死んでも決して責任を感じない。そんな無責任な「傍観者の罪」を抉り出している。これはいじめでも戦争でも、およそ人間が対立する所ならどこででも見られることだ。
 もちろん一番悪いのは直接の加害者だ。それは間違いないが、それでも第三者として被害者を助けるためにもっと出来ることはないのか。考えられる人間でありたいですな。
 
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