特濃ミルク

高校大パニックの特濃ミルクのレビュー・感想・評価

高校大パニック(1978年製作の映画)
3.7
 ある日、気の弱そうな高校生男子が数学の参考書を片手に自殺する。受験戦争の雰囲気に精神を追い込まれたのだ。しかし学校では一通りのお悔やみがなされた後、何事も無かったかのように生徒たちを受験に駆り出そうとする。一人の人間の死について何の責任も感じていないようだ…、そんな中、一人の生徒が立ち上がる。
 いろいろと滅茶苦茶だけど、ノリと勢いだけで乗り切るこの年代の映画好きだわ。邦画にこの馬鹿馬鹿しさと汗臭さが復活して欲しい。あとこれは映画全体に言えるけど、とりあえずCG使うとか、スケールがでかい題材を扱えばいいってもんじゃないんだよな、と改めて思った。
 原爆ほどでは無いにせよ、世界を呪って破滅させるほどのエネルギーが男一匹の中には眠っている。そういう人間を追い込み、孤立させるのは競争社会に生きている以上しかたないのかもしれないが、それならばそのツケを社会が払うのもしかたがないという事は忘れてはならん。
 あと学歴偏重社会もいい加減にするべし。「名門大学」とか言って人間の本質と関係ない所でやたらと持ち上げるから、それを全てだと思う子ども、そして勘違いして調子に乗る輩も出てくるのだ。そんな奴らより、額に汗して働く農家の方々のほうがよっぽど偉し。勉強も所詮ただの一芸と見るべし。
 …なんか個人的な文句をつらつらと並べたエッセイになったが、とりあえず言いたいのは若い頃の浅野温子さんの色気がすごいという事と、数学が全部悪いという事だな()。
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