特濃ミルク

崖の特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

(1955年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 貧乏人を騙して金を巻き上げるという、最低な詐欺師三人組の話。その中で最年長のおっさんがある日突然良心に目覚めるが…
 「正直ものはバカを見る」とはよく言われるし、それはある意味では正しいんだけど、やはり人間、正直に生きた方が最終的に得になると思う。つまりは騙すより騙された方がいい。(水原より大谷がいい。)
 それはシンプルに法によって罰せられるリスクというものもあるけど、何よりそれを逃げおおせたとして、その人生の今際の際、「俺は今まで人を騙し、その良心を利用して生きてきたんだ」という罪の意識や「身近な人に顔向け出来ない」といった悔恨が絶対に出てくると思うんだよな(根っからの悪人は知らんが…まあ大多数の凡人・小悪党はね)。それがどれだけ魂を損なうものか?きっと何百億積んでも取り返しがつかないものになるだろう。そんな事になるなら正直に生きた方がどれほど得になるか知らない。
…とりあえずあのおっさんは最期に何を思ったかな。真っ当に生きられなかった後悔と、涙に濡れた娘の顔じゃないかな。
 まあ結局、自分で自分を尊敬できるような生活、しなきゃならねぇという事だ。
特濃ミルク

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