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mid90s ミッドナインティーズのgcpのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タートルズの寝具、ストリートファイターのTシャツ、スーパーファミコン、羅列されたCD そして個人的に好きなWave of mutilationが流れる。冒頭からとんでもない映画だなと思った。1989年生まれのわたしはドンピシャ世代ではないはずだけれど、この90年代の空気感をよく知っている。
主演のサニースリッチはなんと聖なる鹿殺しの子で、これまたとんでもないキャリアを歩んでるなと。尚且つプロのスケーターらしい!可愛いけれどもうしっかり格好良いなあ。登場人物たちをもっと深掘りして長尺にすることもできたはずだけれど、約90分が丁度良かった。過剰に感傷的にならずどちらかと言うと良い意味で端的に描かれた彼ら。レイ、ファックシット、フォースグレード。皆んな最高にクールなのに、いつも見切れがちなルーベンを目で追ってしまう自分がいた。ルーベン、覚悟と自棄と挑戦はぜんぶ意味が違うし、度胸と強さは別物だよ。大丈夫だよ。と言ってあげたい。
スケートボードというひとつのカルチャーを軸にタイトル通り90年代への愛が止まらない映画。観終わった今こそ経験とリンクして自身の思い出のように心に残っている。あの頃には戻れないけれど、今ならまだ間に合う、忘れちゃいけないことを教えてくれている気がした。それは個人的なこと普遍的なこと科学的なこと全部。
そして、10代の時に初めて満たされた本当の友情ってのは家族に否定されるものなんだな。全人類があの車中での言い合い経験しているのでは。。いつかもし母親になる時が来たら、わたしは危なっかしい子供を信じて見守ることができるのだろうか。
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