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砂塵のzhenli13のレビュー・感想・評価

砂塵(1939年製作の映画)
3.9
面白い!よくまとまってて愛すべき作品。最初から最後まで動的なエネルギーに溢れてる。
オープニングのスローモーション横移動、酒場の群衆、マレーネ・ディートリヒのキャットファイト(往年の妖艶さもかなぐり捨て目を剥き水浸しになり作品の動的魅力に貢献。あくまで彼女の脚は美しい)、踊るジェームス・スチュワート(好役。若い!ひょろっひょろの長身)とディートリヒの密談、棒切れ持って押し寄せる女性の群衆などなど。
スチュワートのアップと横たわるチャールズ・ウィニンガーのアップとの切り返しでの光と影の使い方がとても丁寧で情感溢れてる。フィルム・ノワールの萌芽すら感じられる。
「化粧しなかったらもっと美人だろう」とスチュワートに言われたディートリヒが、のちに「最後のキスを」と自分の唇を手でぐいっと拭ってスチュワートとキスする。健気だ。

にしても『砂塵』て。全く関係無い邦題。『大砂塵』よりも砂塵感無いわ。
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