空海花

冬時間のパリの空海花のレビュー・感想・評価

冬時間のパリ(2018年製作の映画)
3.6
クリスマスの夜に映画館に滑り込み。

少しご無沙汰してしまいました。
この時期は忙しくなってしまい、いいねもままならず、遅れてすみません。
コメントもし損ねて寂しい限りです。
10月から始めたばかりですが、おかげさまで約3ヶ月楽しい時を過ごせました。
ありがとうございます☆
皆様どうぞよいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。


文章のデジタル化に翻弄される出版業界の敏腕編集者が主人公。妻はジュリエット・ビノシュ演じる人気女優。でもTVドラマ女優。
作家である友人から新作の相談。フィクションだけれど私小説というスタイル。この友人も妻は政治家秘書というhigh societyな友人関係。
そして新作の内容が不倫ならば、つまりそういうこと。

ただ単にそういう物語ならどうかな、だけれど。
だが、出版業界とか電子書籍とか気になるワードに心が触れる。
本は紙がいいに決まっている。と思っていそうな?私は割と電子書籍派。発売が遅かったり、ある程度人気がないと電子書籍化されない難はあるが、もうとにかく本は置いておけるスペースに苦労する。しかも所持すると手放し難くなる性。電子書籍なら持ち歩く必要もないし忘れることもない。スマホじゃ読む気しない、なんて何のその、無理にでも慣れさせる価値はある。紙の本の魅力は十二分にわかるが、選べる今の時代は有難い。できれば紙の本を買って、クラウド上にも保存できるともっと有難い(贅沢)
あ、いや、そういう話ではなくて。

ネットで誰でも文章を書く時代
ツイッターやブログなど、短いセンテンス
個人主義
しかも匿名の個人がそれぞれだんだん上手くなってきた
ポスト・トゥルース
芸術と芸術家を遠ざける
いや、フランス文学こそ、名言の羅列をする
昔からあることだ

恋愛コメディに分類されてはいるようだが
不倫自体はとてもライト。
わかっていても言わなかったり。
嫉妬に狂うとかもない。
浮気は浮気。夫婦、結婚が先にある。
恋愛は嗜みだな。
必要不可欠で、惑わされない。

この物語は全てが会話。
飲んで、食べて、思い思いに語る。
時にはベッドで、服も着ずに。
裸で電子を語る。
会話の主題がなんて文化的で、軽妙なんだ。
いくら業界人とはいえ羨ましすぎる。
来年は会話劇が来そう(?)

ただ、字幕を追う者にとっては皮肉にもほぼ読書に近い、台詞の多さ。
この時期、とても忙しいのと寝不足と風邪もたたり、情けないことに何度も落ちかけた。
そんな状態で観に行くのはおすすめしない。
でももうこんな感じでクリスマス映画とか観るのも何か違うな、と。スターウォーズは長くて時間が足りなかった。
ほんの少し日本の話題も出て来るし、日本人の監督が撮ったあの人の名前も出て来るよ。サービスな訳ないと思うが、少しニヤリ。
関係ないけれど頭にロラン・バルトが浮かんだ。
人格でなくて、空間だとか何とか。

しかし原題と英題と邦題、全然違う。笑

南仏の風景を二輪で二人乗り。
この景色が美しく「ここ行きたい!」と思った。いきなり解放的。
机があるのに膝で魚をナイフとフォークで食べるのが上手い。
ずるいよもうずるい。
結局羨ましがってしまう。
空海花

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