シネラー

平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVERのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
ウルトラマン映画を観たら、
仮面ライダー映画も観たくなったので
本作を再鑑賞。
劇場公開以来の鑑賞だったが、
やはり仮面ライダーも素晴らしいと思った。

物語は、
仮面ライダーの存在がTVの中の虚構
となった世界で、仮面ライダージオウや
仮面ライダービルドをはじめとする
平成ライダー20人が集結し、
時間と世界が入り交じる戦いを
繰り広げる内容となっている。
ある種のメタフィクション的な物語が
展開される中で、
現実に存在しないヒーローは
人々の記憶の中で存在し続けている
というメッセージが組み込まれていて、
それが平成ライダーをそれまで視聴し
続けていた人にとって大いに
感情移入してしまう部分だと思った。
物語中盤から仮面ライダー電王の
要素を散らつかせ、
満を持しての電王登場は懐かしく、
劇場内がざわついた彼の登場もあって
素晴らしい活躍だった。
又、平成ライダー1号であるクウガが
関わる部分もあり、個人的に永遠に好き
なライダーだけに嬉しかった。
加えて、他のオールスター映画と違い、
ライダー全員がライブラリ音声や
新録音声でオリジナルの役者本人の声
となっていて感慨深く、
20人のライダーキックや活躍も丁寧に
描かれていて良かった。

しかし、物語の粗さが無い訳ではない。
仮面ライダーが虚構となっている世界で、
普通に怪人であるイマジン
が存在しているという
根本的な矛盾を差し置いても、
物語前半にかけてのご都合展開、
敵であるスーパータイムジャッカー
といった細々な説明不足は否めない。
又、本来なら描かれる筈だったであろう
仮面ライダーWの関連場面は
残念でならなかった。

ライダーファン要素が強く、
万人にお薦めできない作品ではあるが、
少しでも平成ライダーを子どもの頃に
楽しんで観ていた人にとっては、
正に良い映画だと思う。
童心を思い出させる素晴らしい
一本のライダー映画だと感じられた。
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