空海花

37セカンズの空海花のレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
3.8
脳性麻痺の主人公が殻を破り成長していく物語。

障害者と性、デリケートな部分を描いたのは、
その事自体というより
そういうことこそ飛び立つきっかけになるのが分かる気がした。
話としてきっかけはその前にあるのだけれど、何かこう原動力みたいなもの。

何かをしようとして
何か言われて、それをすぐ実行しようとする姿勢は素晴らしいし見習いたい。
そこから出会った人はすごく良い人たち過ぎて、まさかというよりホッとした。
だってあの幼なじみは何だ?
母親同士だって全然良い関係でもない。
役柄は要るかもしれないが本当に要らない。
居なくて困るの自分だけだしね?
自立して地に足着けないと、都合良く適当に扱われてしまう。過保護で守れるものなら守りたいが。
それはもう障害者も何もない。
それでも母親も救われていくから、良かった。

想像よりも更に遠くへ旅をすることになり
主人公は今まで知らなかったことを知ることになる。
千葉の辺りは過去の色々なことが示唆され胸が締めつけられた。

海外に行くのは良かった。
海外旅行は一つの壁でもある。どこへだって行けるのだ。海外で活動する監督にとってはそうでなければならなかったように思う。

雑な部分を感じない訳ではないが、
夜景一つとっても表情を変えるし、人物をきれいに撮れるし、感性か学んで得たものなのか、
抜きん出るものを感じた。

風俗嬢の渡辺真紀子も良かったが
ニュートラルな介護士役も良かった。彼が居ないと旅行が困難になってくる。大東駿介いい役だ。

ユマの表情がどんどん明るく活き活きしていくのが嬉しかった。
もう怖くない?の台詞に落涙。


2020劇場鑑賞38本目
空海花

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