映画には、問題提起で終わらせる型と、ハッピーエンド型とある。
だが、これは後者だとわかっていても次々に驚きの展開があり、最後まで惹きつける作品だった。
さらに『ミスター・ダマー』で『メリーに首ったけ』のピーター・ファレリー監督の作品なので、どぎついギャグも盛り込んでいるものの、シビアな黒人差別の現実も描いている。
そしてヴィゴ=モーテンセン、1991年の『インディアン・ランナー』で『ヒストリー・オブ・バイオレンス』で『イースタン・プロミス』な、尖ったナイフのような役者だ。
それがこれ。体重を20キロ増量し、ホラを吹きまくるイタリア系の用心棒を楽しそうに演じている。
だから面白い。だから明るい。
それが感動を生むエンタテインメントになっている。
アカデミー作品賞にしては軽くないかとも思われるが、それでいいのだ。
びっくりしたが、これがまたハマっている。