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グリーンブックのsakuのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0
当時のアメリカで行われてた黒人差別が如何にえげつないか、である。トニーもその親戚も黒人差別的で、トニーは家の水道を直しに来てくれた(だったかな?)黒人作業員への休憩の時の飲み物のコップを、そっとゴミ箱に捨ててしまう。ガシャンと捨てるんじゃなく、そっと、、である。それを見ていた奥さんが元に戻すのであるが、この場面は如何にトニーが差別的だったかをさり気なく表現していて、とても印象的である。でも、そっと捨てるところにこの男の生来の優しさを表してるんじゃないかと思っている。

それが最後、黒人ピアニストのシャーリーとのツアーを終えて、我が家でのクリスマスの食事の時、親戚から黒ナスとの旅はどうだった?と聞かれ、差別的で侮辱する言葉にそんな言い方するな!(だったかな?)と言ったトニーの手を握る奥さんの嬉しそうな顔がとても良い。この場面がとても好きである。トニーとシャーリーとの間に友情が育まれて、その友情は生涯続いたとパンフレットに書いてあったが、心暖まる。

この映画を観る前にたまたま英語のテキストでジムクロウ法の事がありその法律の内容を知っていた。終盤、レストランに入ろうとするシャーリーをレストランのマネジャーが拒否するのだが、あれは単なるマネジャーの嫌がらせではなくて、法律で白人と黒人が同じレストランで食事出来なかったのである。入店させてしまうとあのマネジャーは捕まるんだと思うが、背景にそういった事情がある。学校も別、レストランも別、水飲み場も別なのである。それを法律で規定していたのである。

2人は旅を通じてお互いをよく知るようになり友達となっていく。人の心と心が絆で結ばれる物語が好きで、本作はまさにそんな映画である。好きな映画がまた一つ増えた。Filmarksのプロフィール欄でベスト10を設定出来るが、コレ入れた。
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