やた

グリーンブックのやたのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.7
「観てよかったなぁ…」という言葉が繰り返し出た。
結構淡々としたロードムービーなのに、めちゃめちゃ没入出来る。

どちらが優れているとか賢いとか社会を知ってるとかそういうことではなく、互いが色んなことを教え合い、受け止め合って、支え合う、そんな関係が大げさな表現や説明なしに深まっていく流れがとても良かった。

特にケンタッキーフライドチキンのエピソードが最高で、観終わった後ケンタッキーに入ってしまった。

一番最初のブレイクスルーはドクの演奏だったと思うけど、やっぱり何かを変えていくきっかけは教育じゃなくてエンターテイメントなのかな、と思う。
「上流階級の人間が教養があると思われたくて自分の演奏を聴く」というようなことをドクは皮肉っぽく言っていたけど、彼がその場を利用しているようにきっと彼の演奏を聴いてトニーのように変わった人たちもいっぱいいただろうなと。

この映画が数年前に作られていたら、きっと差別の描写がもっと暴力的で胸糞な表現をされてたんじゃないかなと思う。映画を通して現実を知ることは大事だと思うけど、そういうのが苦手なのでほっとした。
そういう意味も含めて、今観ることが出来て心から良かった、と思える作品だった。
やた

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