ひこくろ

コンジアムのひこくろのレビュー・感想・評価

コンジアム(2018年製作の映画)
4.5
臨場感が凄まじく、まるで実際の生中継番組を見ているかのような気分になる。
しかも、番組撮影のために用意されたという設定で、いろいろなカメラを使っているため、POV(一人称視点)映画にありがちな、狭い視点になっていないのがすごい。

ごくごく自然に映される病院内は、何も起こっていないように見えて、何かが起こっている雰囲気に満ち満ちている。
その正体がわからないから、自然と目と耳が敏感になっていく。
気がつくと、ちょっとした変化や物音にもビクッとしている自分に気づいて驚いた。

自分を映すカメラや、部屋全体を見降ろすカメラ、視線の先を映すカメラ、と視点の動きがホラーにすごく効果的に働いている。
そればかりでなく、映像の乱れや、何かが映り込んでいるのなんかまでもが、ホラーとして最高の演出になっている。
最後の部分以外はことさらに恐怖を直接描くことはしていないのに、こんなにも怖くなるんだと思った。
とにかく、ありとあらゆる部分が怖い。めちゃくちゃ怖い。
ひこくろ

ひこくろ