決して観ていて気持ちの良い作品ではないのだけど、いろんな事を考えさせられるし、風刺的なメッセージが込められているなって。
この映画を観てジョーカー(アーサー)を「ただただイカれてる、狂ってる。」とは思わなかった私たちは、今自分が生きているこの世界にも、何かしらの思い当たる理不尽やオカシイと思うことが充満しているのを、薄々かもしれないけれども確かに、感じているのだろう。
(勝手に複数形にしちゃった...)
終盤のまるで戦場のような街のシーンを見て、
「世間」は「このピエロの所為で世の中が狂った。」と思っているのだろうが、違うよ、世の中はこれまでと変わらない。世の中はずーっとこうだった。見て見ぬふりをしていたのか、単に見えていなかったのかは知らないけどさ。
そんなふうに思ってしまった。
重かった。重いというか、ずーっと胸がキリキリするような。よくもまあこんな胸糞続きのストーリーを作れるよなと思ってしまうくらいの。
アーサーの心の闇をそのまま映画にしたような、しんどい作品でした。
⚠️⚠️⚠️以下ネタバレ有⚠️⚠️⚠️
観ていて感じた事をダイジェストで。
🤡他人が他人に云う「生きにくい世の中」ほど的外れなものはないなって感じてしまったあたり、私も心が疲れてるのかもしれん。
違うよ、そんなもんじゃないんだ、「生きられない」んだよ。もはや死んでるも同然の「生きてない」ところまで来てるんだよ、と。
🤡「狂ってるのは自分か、世間か。」
🤡バスの中のシーン「構わないで」
「じゃあお前が構えよ」なんて汚い言葉が思わず声になって出てしまった。
🤡「ただのガキさ 追いかけすぎた」これは、真理だなあ。
🤡地下鉄のシーン。「こんな奴らのために手を染めないで欲しい」という思いと「やられちまえよ、おまえら」という思いが鬩ぎ合う。
🤡命を奪うという事は、何よりも重い罪のはずなのに「いや、悪いのはそいつらじゃん?」と思えてしまう。そんな自分がこわい。
ニュースだけを見ると、背景ってほんと解らないものなんだなと思う。母親の言う「おかしくないわ」は至極真っ当で「どんな背景があろうとも、手段として殺めることを選ぶことは赦されない。」それは分かっているのに「おかしくないかな?そうかな?」って感じてしまう。
誤った事をしても酷い事をやってのけても、当然のように咎められない・捕まらないって思っている人たちが世に蔓延るから理不尽は無くならない。そっちの方がよっぽどおかしいじゃんって思っちゃうよ。この事実にほんとにおこ😡(せめてかわいく言ってレビューの温度を和ませる作戦😇)
🤡クビになって出て行く時のシーン。立つ鳥跡を濁していくスタイル好きよ。笑
「笑うな!」に消し変えた後の、ドアを開けて光の中へ足を踏み出す描写が凄く良かった。母親をころした時も光を浴びていた。
この光の使い方が作品通してとても印象的。
🤡走って逃げる描写が多いのも印象的。
🤡ソフィーとの出逢いのシーン。世界に一筋の光が差した瞬間じゃん... ✨って思った。のに。
「たしかアーサーでしょ?」の言葉でサー😨ってなったわ... あれもこれも妄想だったって事ね... 一筋の光とは...
🤡ラストのカウンセリングシーン。今までの全部アーサーの頭の中ですって取れるのは秀逸。
🤡「善悪を主観で決めてる」うん...真理だなあ。
🤡最後はラストシーンで印象的だったシナトラの曲で締めます。良い曲なんだよなあ。
I said that's life
And as funny as it may seem
Some people get their kicks stomping on a dream
But I don't let it, let it get me down
これが人生 冗談みたいだけど
夢を踏みつけて小躍りする人もいる
だけど くじけたりしない
♪ That's Life / Frank Sinatra