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罪の声のaeuのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.2
凄く良かった……😭✨
まずタイトルシーンまでの物語への惹き込み。文句なしでグッと惹き込まれる。

伏線も調査も一つひとつ丁寧に描いて紐解いてくれたから、主人公たちと共にあれこれ伏線探って、ここ繋がるんじゃないかとか、あれおかしくないか?とか、たっぷり考えながら楽しめるのも良かった❣️

阿久津(小栗旬くん)も曽根(星野源さん)もどちらも刑事じゃないんだけど(笑)、それぞれやり方や立場の違う調査も十分面白かったし、中間部分でバディ的な感じになったあたりから一気に色々繋がって更に面白くなって、もうワクワクワクワク😆✨

曽根(源さん)が相手に響く方法で情報得るの上手すぎて笑った🤣🤣

そして、証言者がまあ〜ペラペラ喋るのもちょっと笑った←
まあ、35年経った今だからってのはあるんだろうなあ。
とりあえず、誰よりも、あの板前?のおじさんは口元の注排水弁が緩すぎ🤣🤣



さて。色々、思われ言われる事のある「報道」や「記者」の在り方に関して、観ている私たちにとっても救いのある結末で、胸糞感はあんまりなくて、その点は凄くホッとした。
皆が阿久津のような記者だったらいいなーとか思っちゃったなあ私🥺✨

私はマスコミとか報道とか記者とかにあまり良い印象はなくて、かといってそれに対して自らのセイギをただ振り翳すこともまたズレてると思っているので、悪く言うつもりも毛頭ないのだけど。
特に社会部の記事や報道なんかは、遺族や被害者さえも追い詰め苦しめるようなものなんじゃないかって、ずっと思っていて。
けれどこの作品を観て『真実を伝える事の意義』っていうのが少し解った気がする。

解っていたつもりで解っていなかった事に気付かせてもらえた、良い作品でした◌⑅⃝*॰ॱ








⚠️⚠️⚠️以下ネタバレ有り⚠️⚠️⚠️

 長々とした独り言です...🙇‍♀️🙇‍♂️








阿久津の、社会部に居た時の話が真っ直ぐで、もうくるしくて。
だけどそんな阿久津だったから話そうと思ってくれたひとがいて、
曽根(源さん)がテープの声の本人でその苦しみを真っ直ぐ相手へ差し出したから話そう思ってくれたひとがいて。

首吊りのシーンは、あーまた忌々しき「報道」のように、首突っ込みすぎて追い詰めてしまった、かと思ってビビったけど、あのシーンも曽根(源さん)だったから響いたわけで。



途中、曽根(源さん)が放った
「どんな意義ですか?」
阿久津の
「それをほじくり返す事にどれだけの意義があるのか」
「でもそれは、こちらの都合ですよね。マスコミの反省の為に、なんで曽根俊也が使われなきゃいけないんですか。」

このシーンは心底同意で「ほんまそれ」って思ってしまって、これ以上幸せに暮らしてるひとを苦しめないでくれって思ったのだけど、

「ほんなら、ただの消費ではない、意義のある記事書いたれや!」

この言葉にはグッと来た。
でもそんな事できるんかなって思ったりもして。


そこからの、生島望ちゃんの親友さんの話のシーン、すっっっごく響いた。

「過去はそっと仕舞っておくほうが幸せ」
 (放っておいてあげてよ)

なんて、なんも関係のない私が勝手に思う事じゃなかった。赤の他人が勝手に決める事じゃなかったって、気付かされてしまった。

見えないところで今も尚苦しんでるひとがいるかもしれない。

真実を紐解いて、素数になるまで素因数分解していって、その上で残ったものを消化していくのは本人たちなんだ。


最後、お母さんと出逢えた聡一郎を見たら、

「ああ、意義のある記事だった」って。

そりゃ「真実」を突き詰める事で、どこかでまた新しい苦しさってのも生まれてしまうだろうけれど、それは、それこそが乗り越えるべきもので、そんなに苦しまなくても良いはずのひとが、抱かなくて良いはずの苦しさまでも抱いたままってのは、やっぱり違うもんね、って。


「曽根さんの今は曽根さんが掴んだものです。当たり前にあるべきものが奪われた。罪の意識を抱くべきはあなたじゃない。」
「本当の罪人を引きずり出します。」


「真実を伝える事には意義がある」って思った。

望ちゃんが報われなくて、それが凄く悲しかったけど、でも「自分の人生やもん」って言った望の言葉は、望の死を知ったと思われる親友さんのことも、お母さんが加担していたと知った曽根のことも、きっと救ったはず。観ていた私の気持ちも。

自分の人生やもん、それが「嘘」や「冤罪」や「理不尽」ではなくて、ただ「真実」なら、それがたとえ苦しいものでも、自分で乗り越えるべきものだと理解することができると思う。



なんて事を言うのも、赤の他人の私では、野暮なのかもしれないけれど。

それでもそんな事を考えさせられる「結び」でした。
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