ボギーパパ

ジョーカーのボギーパパのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
ダークナイトが闇の中の光の話だとすれば、本作は光の中に暗雲が立ち込め、漆黒の闇が訪れる話か。

本作は光と影を、そのコントラストを多用、象徴化することによって心理の変化や精神状態を浮き彫にして際立たせており、観ている我々を不安に陥れる。妄想と現実を巧みに前後させる演出も我々を更に不安にさせる効果が絶妙。

また冒頭からエンドロールまで、我々の精神状態を不安にし続ける音楽も効果的に作用している。

もう一つこちらの神経を常に逆立たせる小道具が、もちろんピエロ🤡のお面と、タバコ🚬。常に画面に映り込み不快感を醸造し香り立たせている。

こんな多様な不安、苛立ち、不快感、悲しみ、憎悪が徹頭徹尾写し込まれ、この中で人間否定に追い込まれた暴発によるジョーカーの誕生。現代日本にも相通ずるところまであり、背筋が寒くなった。

紛れもない快作・怪作。ホアキン・フェニックスもヒース・レジャーに負けないジョーカーになれると思わせる名演。
ボギーパパ

ボギーパパ