スコアがすごく付けにくい……けど、こんな気持ち初めてなので。
映画として面白いかとか、楽しいかとか、そういう尺度とは別で、なんかこう…うまく言語化できない"何か"が胸の中でずっとウズウズしてる。
比喩とか、過剰表現とかでもなく、マジで今なら人を殺せる気がする。そう思っちゃう……っていうか、観ている間、心の中のタガが外れる音がした。
ほぼ満席のIMAXレーザー
やっぱり遅れてくるやつはいるし、スマホのライトつけて席探すから、その影がスクリーンに映るし(オープニングの大事なところでね)
隣のやつはずっとスマホ見るし、なんならスクリーンの写真撮ってたよな?お前よ!
ただ決まった時間に席に着く
たった2時間、たったの2時間マナーを守って映画を観る
んなことすら出来ないのかテメェらはよ!
それをこの映画でやるってことは殺されても文句言えねぇぞ?
たったの2時間なのに、ノンストレスで映画を観きれること自体がレアというか、得した気分にすらなっちゃうようになったので、もうホント世の中腐ってんな。いっそぶっ壊れねぇかな。
と、割とリアルに蹴り殺しそうになるほど湧き上がる殺意を必死に押し殺さないと、必死に平静を保たないと"持ってかれる"映画体験でした。
こんなの初めて。
社会から爪弾きにされたり、抜け落ちたり、日本なら『ギャングース 』みたいな世界によってジョーカーが生み出されちゃう過程が丁寧で
「いるよ!絶対ジョーカーいるよ!!」って思えてくる。
やってることは"間違ってる"けど
"倫理的に"はね。
でもその姿に、地下鉄の騒動を背に颯爽とタバコを吸いながら歩くジョーカーの姿に、ふと応援したくなるんですなぁ…。
今日は仕事が休みだったから良かったけど、もしミスしたり怒られたりした日の帰りに観てたらどうなってただろう……。
映画的には『キングオブコメディ』はもちろん、「あ!『タクシードライバー』だ!」とか『あ!『カッコーの巣の上で』だ!」とか、色々ワクワクさせられたし、やっぱりIMAXが映える!
IMAXはどちらかというと縦に魅せる映画に向いてるのかなと思っていて、最近『ブレードランナー』のファイナルカットをIMAXで観たけど、70mmのIMAXサイズにシネスコは上下が勿体ないと感じたくらい。
本作はまさに縦軸に展開する場面が象徴的で、画面の下から上に向かって走る列車を捉えた空撮とか、アーサーが逃げるときも手前から奥にか、下から上に。
とにかく画面を上下の縦軸に使う場面が多いし、基本画面の左右どちらかにもたれ掛かってるアーサーが、ここぞ!というとき、ジョーカーになるとき、画面のど真ん中を陣取って、映画を掌握してしまうその画ヂカラに圧倒されました。
視野の狭まった緊張感あふれる極端な寄りの画だってIMAXのスクリーンで観ればもう表現しようのないどこかに吸い込まれてしまいそうな魔力がありました。
どうやら世間では今日はラグビーやってるみたいで。
帰り道や地下鉄に顔面白塗りの人たちがいて、ニヤリとしちゃいました。
【追記】
2019/10/27
丸の内ピカデリー
ドルビーシネマにて2回目
音がマジですごい。ここまで計算された映画だったのか……。2回目なのでようやく面白い映画として一歩引いて観られましたが、やはり傑作ですね。いつも心にジョーカーを。