Risa

聖なる飼育のRisaのレビュー・感想・評価

聖なる飼育(2017年製作の映画)
2.8
怪しい邦題に観るのを躊躇っていましたがついつい。

洒落込んだオープニングとエンディングです。mvの様。

ネオヒッピーカルト映画とでも言いましょうか。
カルト映画というと語弊があります。
ちなみに、何も映されませんが、内容としては児童ポルノ的な問題はあります。下手したら死にますよ。。
うまく現代に落とし込まれている様に感じたのと、少女の雰囲気、映画そのものの空気感やテンポは割と好きです。
何より終わり方の重めな爽快感。
12歳の少女でありながら静かに聡明な判断を下す格好良さにうっとり。

両親の代わりに育ててくれているミゲルに信頼を寄せるのは当然ですし、初めてが怖いのも当然です。
どれくらい怖いかって、この映画の美しくも残虐な終わり方が物語ってます。

少女は、親ほどに歳の離れたミゲルの説得力でそれまでは良かったんだと思います。
でも、納得のいかない台詞を言われてしまえば、疑問を持つのは当然な訳です。
少女には 聖なる男子を産むために初めてを捧げてくれと頼み込んでおきながら 男は他の女と寝てるんです。
それを知った少女が ドン引きするのは当然です。少女と言えども女子というのは精神年齢が高く、冷静です。

何がお清めなんだか。
最後の少女の行動こそがお清めです。

山奥の森の中、山小屋にピンクのネオンで十字架が2つくっついたモチーフを付けているの 可愛いです。ネオヒッピー。

宗教映画でも青春映画でもない、俯瞰したまさにミュージックビデオの様な撮り方。

静かで冷めた諦めを知っている子供って とってもミステリアス。
早くに両親と離れている彼女は 自由に生きる為に必要なものは精神的な強さであることを知っていました。

少女は 転がされてるふりをしながら、意志を持った個体であり、自分の意見は一切押し付けず、共有したり馴れ合う事を団体の中にいる意志を持った個体として、客観的に問題視しているんです。

彼女の美意識を感じます。
これが青春映画であれば、少女は飛んだビッチに成長しますが、この少女は汚されても美しさを保ちますよ。
Risa

Risa