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リンドグレーンのkurageのネタバレレビュー・内容・結末

リンドグレーン(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃に、大人になって”心のよすが”になるような物語に出逢えてたとしたら、とても幸せだと思う。

特に多くの人が記憶に残る物語としてあげる『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』は、出逢えていたかどうかでその後の人生が変わってしまうのではないだろうかというくらいの個性的なキャラクターとの邂逅がある。やんちゃでお茶目、自由な精神を持つ主人公に知らずのうちに魅了され、年を重ね、さまざまな経験を重ねるにつれ、彼女たちに励まされながら生きることになるのだ。

これは大人になってから読んでも、記憶の改ざんができないのが残念なところで、自分には幼い頃に『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』を読んだ、または読んでもらった記憶がない。あんなに名作として語り継がれているのに。

なので、このリンドグレーンを勧められて、自分に響くかちょっと微妙だった。
ところが、この映画は作家アストリッド・リンドグレーンのリンドグレーンになるまでの話で、ピッピもロッタも執筆風景も出てこない。
幼い頃からちょっと変わった一人の女性の生き様として、力強くリンドグレーンを描いている。
18歳で父親の友人でまだ離婚の成立していない男性の子どもを身篭り、ひとりスウェーデンからデンマークへ渡って極秘出産するなど、かなり波乱万丈の20代を送った人だったのだろう。

主人公を演じたアルバ・アウグスト、年代の演じ分けが自然で、良かった。
狂ったように踊るダンスシーンに人間臭さが溢れていた。