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プライベート・ウォーのMISSATTOのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
3.9
壮絶な映画だった…取り上げてるのがメリー・コルヴィンだから当然といえば当然なのかもしれない。
恥ずかしながら、彼女を最初に知ったのは彼女が亡くなってから…というか今年、2019年に入ってから。
「バハールの涙(原題:原題:Les Filles du Soleil/太陽の娘たち)」に出てくる眼帯のジャーナリストのモデルがコルヴィンだということを知り、その彼女の映画が製作されていると知って公開されるのを待っていた。

予告にも使われてる映画の中で彼女がいうセリフが突き刺さる。
「I see, so you don't have to.(私が見るからあなたは見なくて良い)」
兵士でもその場所の住民でもない私たちが戦場に行くことはできない…はっきり言うと、行きたくない。
だが知りたくないわけではない。むしろ知っておきたいと思う。
彼女のようなジャーナリストがいるから、そこに自分たちと何も変わらない人間たちがいて、傲慢な権力に圧し潰され、あまりに安易に命を奪われていることを知ることができる…。
でも、だからこそ忘れがちになる。彼女たち、ジャーナリストもまた、その戦場で圧し潰され、金属片で肌を焼き、切られ捥がれて血を流し、安易に死んでしまう肉体と精神を持ってる一人の人間なのだと。

それをこの映画は、静かに大袈裟すぎず壮絶に見せてくれる。
泣きすぎて、頭の上半分が痛い。

最後コルヴィン本人の映像が出てきた時に、ロザムンド・パイクの演技の誠実さに畏敬の念が湧いた。素晴らしかった。

※「バハールの涙」も素晴らしい映画です。Filmarksに感想残してなかったことにびっくりしたけど、見た当時たぶん呆然と映画館を後にしてもう何もしたくなくなったんだろうな…
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