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プライベート・ウォーのtaruponのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
3.9
戦場記者メリー・コルヴィンの自伝的映画。
スリランカ、イラク、アフガニスタン、リビア、シリアと戦場の奥深くに入り、自身も片目を失い、PTSDの苦しめられながらも、戦地で記者として活動し続け、その場の現実を伝え続け、最後にはシリア軍の攻撃により命を落としている。

現実が圧倒的過ぎて、自分の中でその内容を受け止めるだけで精一杯。咀嚼した上でアウトプットするまでに至らない。
自分の中では、生き方として、とても真似もできないし想像も及びにくい。
あんなにボロボロになりながらも、そこに伝えるべき何かがあると思えば怖さを乗り越えて、行ってしまう。
悪夢に悩まされ、チェーンスモーカーでタバコが手放せず、アルコールも手放せない。でも、そこに駆り立てる思いがある。

すごく印象に残ったのが、メリーが戦地でそこに巻き込まれ悲惨な状態にある民間人に対して、「あなたの話を聞かせてください」と毎回語り掛けること。
メリーにとっては、戦争は武器の種類やミサイルの数等であらわされるものではなく、そこで悲惨な経験をした人それぞれの物語が伝えるべきこと。
個人的な感情が伝わってこないと、戦地にいない私達は、戦争によって引き起こされる具体的な事象を感じることができず、戦争への対し方も机上のものになってしまう。何万人死にました、それでは伝わりきらない。自分の大切な人を失う、尊厳を傷つけられている状況、そこに生きる人達の現実を身を削って伝えてくれる彼女、彼らがいるからこそ私達は知ることができる。
キチンと目を向けていくべき、見るべきものを見た そういう気持ちになった。