雨丘もびり

ティム・バートンのコープスブライドの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

5.0
日本語版スタッフさんたち、素晴らしいわ!
(桜井裕子さんの翻訳脚本と、亀川浩末さんの訳詞、三好慶一郎さんの演出)
   
「Why so blue?/顔が真っ青よ?」
   
イギリス英語の言葉遊びや"死人ジョーク"が頻出するミュージカルを、さらりとていねいに日本語に変換して下さってる。
   
さらに、キャラクタたちが冗談や皮肉を交わす楽しい雰囲気を、演技でちゃんと味わわせてくれる行き届きっぷり。
   
「結婚するんだから、いますぐ、僕の両親に会いに行こう」
「ステキだわ!どこに埋まってるの?」
   
おかげで、くすくす笑えてじーんと感動できる映画に仕上がっている(ヴィジュアルはアレなのに)。
「日の光も氷も同じ。でも胸の苦しみは感じるのよ」っていう台詞がツラく刺さる。
高い水準、高い意識で為されたお仕事にあたまが下がります。
   
【ぞっとするほど良い話】
ユニークなキャラクタたちが織り成す、哀しくも美しい王道ラブロマンス。
バートンの名を冠した映画の中ではベスト級に、物語がちゃんとしてる。
子供さんから大人さんまで、幅広い層におすすめしたい1本!
脚本に携わったC.トンプソン&J.オーガストの力かな。クセが弱く、楽しみやすい。
   
ストップモーション制作はライカ。画作りもカメラワークも効果的でさすが。
"風にひらめくヴェール"とか、気を失いそうな手間ひまで撮影されてる甲斐あって、奥深い美しさを醸し出している。
まさしく、幽玄の美(コンテはバートン担当みたい?)。
    
原語版の俳優さんたち(マジ?!ってくらい名優ばかり)の、ノリにノった演技も底抜けに愉快!
親しみやすく、しっかり耳に残る音楽/歌もたのしめる。
   
原案のスケッチはかなりキてるのにw、こんなに親しみやすく愉快な映画に仕上がったのはステキな奇跡。
バートンのアイデアを具体化するべく、いろいろな人が関わったおかげで、パワーバランスがうまく取れたのかも(^^)。
   
"死体の花嫁"エミリー、勘違い女っぷりがチャーミングでかわいい~~~!
石原さとみさんで観てみたいわ。
ちょい前にアヒル口美人ブーム来てた時に、プッシュすればよかったー(T_T)。