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シャドーのdiesixxのレビュー・感想・評価

シャドー(1982年製作の映画)
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『サスペリア』『インフェルノ』に続く「魔女三部作」完結編が頓挫し、久々にジャッロ路線に回帰した作品。オカルト要素はなく、真犯人のトラウマを織り込んだサイコスリラー風のミステリーとなっている。例によってトリックやフーダニットは二の次で、女性をいかに残虐かつ扇情的に殺害するかの描写に腐心。ただ、劇中のインタビューで小説家が深層心理でのミソジニーやホモフォビアを指摘されるシーンがあり、自己言及的で興味深い。
無駄に長いクレーンショットや異常に運動神経のいい犬やブルマーが殺害される場面で近づいてくる女性など必然性が全くないのに印象的な禍々しさを演出する手腕はさすがという感じ。明らかにノイズになる室内の謎オブジェが最終局面で物語を締めくくる処刑装置となる展開はいつも、笑っちゃう。
ダリア・ニコロディ本人はこの役を気に入っていなかったそうだが(確かに演じがいのない役)終盤の絶叫は彼女のベストアクトの一つだろう。
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