掃き溜めくん

メランコリックの掃き溜めくんのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
4.0
『メランコリック』
東大を卒業後、実家暮らしでアルバイトを転々としながら、何となく生きている主人公・和彦が、昼間は銭湯のバイト、夜はヤクザの下請けで殺し&死体処理を行う店で働くことになるという話。

まず、ヤクザの凄惨な仕事を請け負っているのに、グロテスクなシーンや暴力描写が少ないのが特徴的な映画だった。人を誘拐して殺害するシーンとかはあるけど、どアップで人を殺したり解体するシーンとかは無いので、そういうのが苦手な人でも安心して観れる(多分)

主人公の和彦が異常な事態に遭遇しても、動揺しながら徐々に受け入れて、いつの間にかそれが日常と化していくのが面白かった。登場人物たちがゆるい雰囲気のまま殺人の処理をしているところにギャップがあり、各所に笑える場面が生まれている。日常シーンとアクションシーンの切り替えが自然で、冗長な要素が無く、終盤までテンポ良く続く映画だった印象。
主要登場人物たちに好感が持てて、感情移入しやすいのも良い点だった。演者さんの演技や雰囲気も素敵で、なんだか不思議と癒される作品だ。

松本と和彦が居酒屋で語るシーンが、この映画の一番伝えたいことなんじゃないかなーと思った。