のほほんさん

LORO 欲望のイタリアののほほんさんのレビュー・感想・評価

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)
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イタリアの政治と言えば未だにベルルスコーニの名前がパッと出てくる。
なんでよその国の人にまではっきりと知れ渡るような問題を沢山抱えていながらトップでいられるのか、という問いに、イタリアの人が以前、半ばそれを楽しんでいる感じがある、と答えているのを聞いた。

今の時代にこれだけあからさまに、頭は空っぽだけど身体は立派!なおねーちゃん達がこの言葉通りの役割を与えられているのが逆に新鮮なのだが、一国のトップが金にモノ言わせてそれを満喫しているのがなんだかもはや面白くなる。
そしてそれを提供することで成り上がろうとする奴がいて。つけいる方法が簡単すぎる(笑)

欲望のイタリアという副題そのままに、誰もが欲望を剥き出しにしてこのお話は進む。
成り上がろうとする奴と、ベルルスコーニと。この2つが軸となっているのだが、その2つが遂に交わった時にはこの欲望にまみれたベルルスコーニの人生の虚しさが垣間見れる様になってしまったり。彼氏本人も、モテモテの様だけどやっぱり老人である現実を突きつけられたり(良くも悪くもない、老人の口の匂い=入れ歯洗浄剤)どんだけ凄いんだと思われた「火山の噴火」がなかなかショボいのだけど、なんかそこに象徴されるよう
そして、大地震や国連といった政治家としての手腕が問われる局面に直面したり。

並みの人間ならそこから転落していきそうだが、それでも彼はしぶといというかなんというか。ちょいとショボくれることはあっても悲壮感のないまま復活したりする。

低予算で工夫された映画も良いけど、たっぷりお金を使って絢爛豪華に作る作品もまた良いなあと思いました