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Tokyo Sky Storyのdm10foreverのレビュー・感想・評価

Tokyo Sky Story(2013年製作の映画)
3.9
【初恋】

やっぱりきちっと俳優さんを使って製作されているだけあって、きちんとしてるね(当たり前か)。
真壁監督の作品ってまだ触れたことはないのですが、涼しい場面の中に(フッと)優しさが灯るような映像は観ていて心地よかったです。

で、やっぱりなんだけど高橋一生は上手いですね。
声で演技が成立する役者さんって、男から見てもちょっと色気を感じる。

今作は東京スカイツリー開業1周年を記念して製作された短編映画。
さまざまな表情の東京スカイツリーをバックに二組の男女の恋模様を描く恋愛作品なんだけど・・・。
いや~いい歳したおっさんなのに、途中からニヤニヤが止まらない。

・・・
ひとつの恋が終わりそうな男。
ひとつの恋が始まりそうな少年。

相手のことが大切だから。
だからこそ、いっぱい色んな事を考えすぎてどうしていいのか自分でも答えが見つけられない二人。

生まれて初めて恋をした少年は、深夜ラジオのパーソナリティにメールを送った。
「君の気持ちは伝えたの?」
「・・・いいえ・・・まだ。」
「じゃあ、まずデートに誘ってみようか?」
「・・・わかりました!じゃあメールで誘ってみます!!」
「ダメダメ!ちゃんと直接言わなきゃ!彼女を誘うところからデートは始まってるんだよ。」


会えば喧嘩ばかりで恋に行き詰っていた男は、偶然乗ったタクシーの運転手に聞いた。
「どうやったら上手くいきますかね・・・」
「・・・そうですね。長く連れ添うと一緒にいることが当たり前になるじゃないですか。でも、あそこにあったはずの公園がいつの間にかなくなってしまったように、いつかは必ず居なくなるわけで、どちらかが先に・・・。そんな事考えると・・・大抵の事は許せるようになりませんか?」
「・・・・・なるほど」



≪よかったら、今度の休み、僕とデートしませんか?≫


「もうダメだ」と勝手に決め付けて、いつの間にか止まっていた心。
「うまくいかないかも・・・」とネガティブな気持ちで一歩が踏み出せなかった心。

二つの恋が東京スカイツリーで交差する・・・。

もうね、途中から中学生(?)の二人の恋の行方にホントにニヤニヤが止まらなくて。
頑張れ~って(笑)

俺にもあんな頃あったっけなぁ・・・。
そっか。
居るのが当たり前なんて事はないし、大切なことは自分から言わないと伝わらないんだよな・・・。
全ては「今、目の前にあるものを大切に」っていうこと。

スカイツリーってどうしても遠目の全景の映像が多くなりがちだけど、今作では様々な時間帯や角度から撮られていて、普段なかなかお目にかかれない地方の人間からすると新鮮に映る。
特にクライマックスの「夕暮れ×スカイツリー」の画は印象的。
あの女の子、間に合ったかな・・・間に合うといいな・・・。
なんだかわからないけど、彼女の鼓動とシンクロするようにこっちまでドキドキしてくる。
あ~いいな~初恋やな~。

「うまくいくのかな?初恋は・・・」
「・・・・きっと、大丈夫。」

うん。僕もそう思う。
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