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蜜蜂と遠雷のKHのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.7
先に言っておきます。私はピアノのピの字も知りません。作中内で使われている曲の一曲も知らないで見てますのであしからず。


蜜蜂と遠雷見させてもらいました。率直に、何も音楽のことはわからないけれども、私としては、かなり楽しめたと思います。

こういった
『ある一つのジャンル』の中での天才達の対決系の作品が他にないとは言いませんが、
知識がほとんどないにもかかわらず、すごい世界だなと思ってしまう部分も多く。
また、全キャラクターの背景説明も明確で、そこから生じる音楽へのスタイルなんかもわかりやすく説明されているように感じる。

また一番の特徴ともいえる、実際に私がここが本当に良いなぁ‼︎
と感じている部分はなんと言っても、極端に内容がピアノの演奏に特化していた点でした。
なので、小説版では青春群像小説であるにも関わらず、

映像としては小説では語ることのできない演奏部分に特化したスポ根的な爽快さやリアルさがありました。

また今作の舞台でもある芳ヶ江国際ピアノコンクールは世界的に注目されており、出場者の層の厚さや、課題内容の難解さ。
最終的には世界レベルの指揮者とのオーケストラと、グレードが上がっていくのが気持ちいい。
実際に現実にある同レベルのコンクールもこのレベルなのであれば、それこそ出場者の全てが、
幼少期の頃より多くの犠牲を払いながらひたすらにピアノに賭けてきているというのも容易に想像できる。
オリンピックに出る人や、日本の伝統を受け継ぐ人、我々が全く知る由もない鍛錬が多くの感動を生んでいるように思う。

キャラクターとしても別次元の天才達が介する事で生まれる天才達にしかわからない会話。
と、終始、全く未知の世界の話にもかかわらず、これだけ楽しめたのはやはり音楽の力、
否、役者達の芝居の賜物なのかも知れない。
けれど、感想を書く事が非常に難しい作品とも言えます。
私が実際にピアノのコンクールに行って、一通り出場者の演奏を聴いて、家に帰った後に、

『どーだった?』と聞かれるくらい、回答が難しい作品です。
音楽についてはわからないので、キャラクターの演技やストーリーは胸熱展開多めです。こうゆうジャンルの映画は久しく見てなかったように思いました。

オススメです。
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