MANA

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のMANAのレビュー・感想・評価

4.5
過失と不運が招く未来

老作家が遺体で発見されることから物語は始まる。容疑者は老作家の家族たち、看護師、家政婦。遺産を巡っての小競り合いや家族それぞれが抱える問題、老作家との関係性をもとに、名探偵ブランが謎の解明に迫る。
善意と悪意が複雑に織り込まれた映画。


暴力要素を抜いた「ヘイトフルエイト」かなと思い、さてさて誰が犯人かねぇ~とワクワクしていたところ、水を差すように(笑)開始30分で犯人が誰かわかり、「あと1時間30分、一体何を見せられるんだ……?」と思いながら見る、不思議なミステリー映画だった。
コロンボとか古畑任三郎みたいな感じかな。(どちらも誇れるほど知っているわけではないけれども……笑)

こういうのを見て思うのはやはり、金が絡むと資産家一家というのは本当に揉めるんだな、ちゃんと遺産については遺言を残しておくべきだなということです……

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オタクのぼやき:

⚠️⚠️ネタバレ注意!⚠️⚠️

楽しみ方が3段階あった(※個人的感想)ので、ひつまぶし感覚で楽しめるw

①誰が犯人なのか(ミステリーらしい、いつものワクワク)
②アンタが犯人かい!犯人がどう証拠隠滅を図るか(ちょっとドキドキ)
③名探偵の解決編

資産家の死による家族のもめごとというのは、もうミステリーでは当たり前にやりつくされた設定。その中で、さてさて誰が犯人だい?と思いながら、名探偵気分で全員の話に耳を傾ける。
正直インプットがしんどいくらい登場人物がいっぱい出てきたうえ、老作家との関係性を把握するのにトッテモ脳を使った。覚えられない。覚えられないけれど先へ進めば嫌でも覚える。

……と頑張ったところでえええ?!?!?!
キミが犯人だったのーーー??と驚き。
看護師ちゃん、可愛い顔してやっぱ資産狙いかオイ!
でもこの子、特異な体質を持っていて、嘘をつくとメッチャ吐く。(そんな体質いる?笑)
この子が吐かないということは嘘…では…ない……
と思いを巡らせているうちに、老作家が看護師ちゃんのことを考えて仕組んだアリバイだということに。ナルホド。
ああ、じゃあこれは名探偵に暴かれるまでの看護師ちゃんの証拠隠滅努力を見る映画なわけね、ほーほー……

……いや違うジャン!!!!!!!!!!!!
やっぱお前が犯人かよクソ野郎。
金が絡むと人が変わるというけれど、人が変わるというより「なんだやっぱりお前か」という気分だった。ちりばめられたトリックの回収と、老作家が家族より看護師ちゃんを守ろうとした経緯や名探偵の推理が、最後は綺麗にシュパパパパと披露されていく。
おなかがいっぱいです。

結構、不思議な映画だったけど面白かった。
MANA

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