このレビューはネタバレを含みます
シーンのつなぎがとても美しかった。視線を上下左右だけじゃなく前後にまで誘導して、そこにそっと手を差し出すこともあればまったく逆の方から驚かせたりしてくれた。
ただ映画は全然おもしろくない。すべては過去への力学で、探偵が作用点なのは分かるが本当にそれ以上何もしない。こんなの探偵でも推理でもない、ただひたすら罪悪感の敗北とと良心の発露を待つのみ。或いはたしかにそれこそが真実への探求なのかもしれないが、それが書かれたフィクションに留まっていては結局意味がないのでは……。