カミワザ

機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのカミワザのレビュー・感想・評価

4.8
今作も1年戦争から続いている宇宙世紀の歴史の延長線上の物語で、言わずと知れたアムロとシャアの最後の対決を描いた作品。
私はこの物語が宇宙世紀の中で一番好きなストリーです。
昨年の4DXリバイバルは楽しかったな~。そしてDVDでも何度見たか判らなく、台詞が無くとも自分でアテレコが出来る!?と思います。

この頃の日本のアニメーション技術は、既に完成の域に達しているといっても過言ではないぐらい非常によく動いていました。
後に、大友克洋の『AKIRA』をはじめとした日本のアニメーションが世界的に確立していくのも納得といった感じです。

さて、本作はシャアが”ジオニズム”の思想を継いだ形で戦争始めるのですが、スペースノイドの人権を守る戦いと言うより、腐敗した地球連邦政府に対する、正にアースノイドを粛清する戦いとして描かれております。
シャアはグリプス戦役等を経て、人類に対する失望を強めた事が戦いを始めた動機となっているのです。
(このあたりの詳しくはZガンダムをご覧になってください。)

しかしながらこの戦いの裏には、ライバル、アムロとの決着もさる事ながら、ララアの弔い合戦とも取れる個人的な感情も多く表現されている為、本当の戦いの目的は判りません。
こんな大人の事情で戦争を始めたのかと考えると、非常に怖いのですが・・・

反対にクエス・パラヤや、ハサウェイ・ノアといった、ガンダムシリーズ特有の大人の事情の解らない子供達が、良い具合に物語を掻き回してくれております(笑)

そして先にも書きましたが、本作のアニメーション作画は物凄く細かく、特にアムロとシャアの対決を描いたシーンは必見。ガンダムシリーズ一番の名シーンであると言えます。

そんなバカなと思える、とんでもないラストシーンも、何故かちょっとした余韻に浸れてしまう・・・そんなあなたは完全にガンダム中毒。
と言いながらも、TM NETWORKが歌うエンディングが雰囲気を出ていました。

尚、ラストシーンでも鍵となっている”サイコフレーム”については、後の『機動戦士ガンダムUC』でしっかり継承されています。
なのでこれを観れば、『逆襲のシャア』のモヤモヤも解消されるかも??
カミワザ

カミワザ