カミワザ

オッペンハイマーのカミワザのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.6
クリストファー・ノーラン監督初となる、「原子爆弾の父」と呼ばれた実在の人物オッペンハイマーの半生を描いた作品。
戦後、ハリー・S・トルーマン大統領とホワイトハウスで対面したエピソードなど、忠実な伝記作品として表現されているのが印象的。

私は、事前にある程度の知識を予習して挑んだこともあり、物語を追う間でのオッペンハイマーの気持ちの動きがとても共感できた。
ですが、本作でもノーラン監督の意地悪が働き、あべこべな時系列を交互に映す。この作風がとてもややこしい。
ただ今思うと、物語の核となる原爆研究、法廷劇ともに膨大な情報と会話劇に終始するので、普通に時系列で追い退屈に見えないようにといった工夫なのかもしれない。

先んじて核が爆弾に応用できるのでは?と研究を進めていたナチスドイツ。それをを恐れたアメリカは、世界中から科学者を集め核爆弾を開発する「マンハッタン計画」を立ち上げる。
それを主導したのがオッペンハイマー。
後に描かれる、トリニティ実験のシーン以外は、エンタメ要素を排除した、骨太映画。
その分、科学者としての資質や人間的魅力を掘り下げた本作の見応えは流石でした。
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