ShinMakita

影裏のShinMakitaのレビュー・感想・評価

影裏(2020年製作の映画)
1.3
岩手、夏 …
首都圏から盛岡支社へと転勤した会社員・今野は、大学時代を東京で過ごしたという同僚・日浅と親しくなった。都会を知っているという共通項に加え、釣りなど地元の愉しみも教えてくれる日浅を信頼し、好意を寄せるようになる今野だったが、半年後に突然日浅が退職。そして数ヶ月後、またも突然彼は今野の前に姿を現した。互助会の訪問販売員となっていた日浅は、以前と同じように今野に接するのだが、ノルマが達成できないからと契約を迫ってきた。変わらない友情を信じて、日浅のために契約を結んでしまう今野。その直後、あの震災が発生。釜石に営業に出向いていた日浅の行方が分からなくなり…



「影裏」。

以下、人を見るときはその裏かわ、ネタバレの1番濃いところを見んだよ

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久々に予告編詐欺に遭った気分。そう、予告では、消えた友人の行方を追う男の話…即ちミステリだと思ってたんですが、フタを開けるとまるで違ったんです。

こりゃ切ないラブストーリーですよ。

日浅に愛情を抱いてしまったホモセクシャルの今野と、人の痛みや感情、そして命というものに鈍感で利己的な日浅。絶対に相容れない2人、絶対に結ばれることのない恋に、今野がケジメをつけていくという美しいドラマなのでした。つまり謎解き要素はカケラもありません。

…だったら、最初からそう宣伝してくれよと(笑)

今野と日浅が釣りしたり酒呑んだりお祭り楽しんだりってシーンが長すぎ!と感じちゃうんですよ、こっちはミステリだと思ってるから。早く話が転がらないと、尺無くなるよと不安になりながらの鑑賞でした。最初からホモ青年の片想い純文学映画だと知っていれば、その長さも楽しめてたかもしれません。

綾野剛の脚・尻・股間に異常なほどカメラが向くなど、エロティシズムもあり、釣りシーンの美しい映像も素晴らしいし、悪い映画じゃない…むしろ良作です。ただ、ミステリと誤解したり、例によって同性愛嫌悪があると、少々疲れてしまう一本。
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