竜平

ナイト・オブ・シャドー 魔法拳の竜平のレビュー・感想・評価

3.1
ジャッキー・チェン扮する小説家にして妖怪ハンターの男がとある純愛と呪いにまつわる怪事件に挑む。トンデモ系ファンタジーアクション映画。

一ファンとしてジャッキーが主演とあればジャンル関係なく出る度に見たくなる、というわけでようやく鑑賞。今作のような役どころはさすがに初めてなんじゃないかな、ここにきての彼のちょっとした新境地と、特殊メイクかCGかによる若返りようがまず見所。この主人公、清の時代に実在し怪異小説集「聊斎志異(りょうさいしい)」の作者でもある文豪がモデルとのこと、これは余談のような、じつはストーリーに於いての重要事項でもあるような。「天から来た」というトンデモ設定、これはご愛嬌。アクションとしては十八番の体術もちょいちょいあるものの、メインとなるのが不思議な筆で繰り出す魔術、とそれによるめちゃくちゃファンタジックなバトル。かつてのキレキレな立ち回りだったり生身のアクション重視の内容を求める人にはまーー向かないけども、個人的にはここらへん逆に今の彼がやるからこその意味合いがあると思ってるし、こーゆーパターンも俄然有りだなと、彼ももう年だしね。鏡の中を移動する女妖怪との攻防シーンなんかは結構楽しい。てな感じで「ジャッキー愛」があればこそ楽しめる内容、というのが正直なところかなー。

CG全開の映像による奇妙奇天烈な妖怪たち、これというのがすげー独特、わるく言えば、なかなかチープ。異世界とか建物とか妖怪の類を写すシーンならまだしも、人間をCGで描写するときにはその安っぽさが顕著に出てしまう、一昔前のゲームみたい。終盤のシーンなんかはほぼほぼCGだからこそ粗がとくに目立つ。ストーリーとしても、ある呪いにまつわる男女のメロドラマがメインで、そもそも今作にはなかなか細かいエピソードや設定がある気がするけど、それをいまいち説明しきれてない感がある。てか中国系の人物名が覚えづらい、ってのは俺だけなのかな。ジャッキー目当てで見ても、他の俳優のあれこれが気になっちゃったり。総じて、余計なことあまり考えず、ジャッキーだけを見れるぜってな人、真のジャッキー好きにだけオススメしたい。この手のファンタジー系はハリウッド産で、それをジャッキー主演でぜひやってほしい。おしまい。
竜平

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