マッドサイエンティスト教授のゴア映画の風味と呪いやドキュメント調のホラー邦画の風味と第二次世界大戦時の香港が日本統治下に置かれていた時代の重厚な風味という、バラバラ事故になりそうなものを何とか上手くまとめているホラー映画だった。
戦時中の日本に対する描写から、おそらくこの映画の制作側の思惑としては、中国でも上映できるようにしたいという意向があったのだろうと思う。
しかし、未来にまで関わる呪いそのものに日本人がかかっていないあたり、現場側には何か思うことがあったのかもしれない。
そして、結局、残虐過ぎることを理由に中国ではこの映画は上映できなかった。
全体的に落ち着いていてシリアスな雰囲気だが、そんな中でずば抜けておもしろいのは、脳みそのドリアン詰めの工程をじっくりと見せたことだと思う。
ハーマン・ヤウ監督✕アンソニー・ウォンの十八番の人肉食は破滅の演出として使われていた。
色白美人の腕をむしゃむしゃと喰らう。
十八番と知っていれば、これが見たかったんだぜという感じで楽しめる。
そうでなければ、呪いとはいえ、不眠症の症状の行きつく果てが人肉食であるのは些か強引でもあった。