えるる

人間失格 太宰治と3人の女たちのえるるのレビュー・感想・評価

3.3
太宰治好きの芸人や周りの人が多い中、小説は読んだが「恥の多い生涯を送ってきました。」の一節と妙にイライラした記憶以外はあまり覚えていない。

小説人間失格も太宰治が自分の事を元にした小説だと思うが、この作品は人間失格を書く前のお話。根暗、破滅願望、かまってちゃん、エゴイストの太宰にこの時期関わった3人の女を中心に巡る。特に小栗旬さんファンではないのに小栗旬さんの魅力がプンプンに垂れ流してくる。何より3人の女優達が凄い。それぞれの役をのりこなし可憐さ美しさ弱さ強さ全てが輝いて見える。特に二階堂ふみさんは最高。才女の様に登場して恋をして破滅に向かっていく感じがめちゃめちゃ良い。表情がコロコロ変わって演技派女優とは正にこの方と思う。成田凌を睨みつける時の一瞬の表情が最高だった。

結核は空気感染しますよ。と少し不安になるシーンが多いが当時は知られてないのか?

蜷川美香さんが大好きなのでセットやインテリア、花を使った演出や色味もたっぷり楽しめる。

太宰治の死は心中での入水自殺だが小説人間失格では太宰は田舎でお手伝いのババァと暮らしていた記憶がある。太宰はあそこで死ぬ予定はなく結核で死ぬまで余生を過ごす気だったのかなーとか見終わった後考えてみたり。
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