【ジョジョのビミョーな冒険】
ヒトラーに心酔する少年ジョジョの目を通して見る第二次大戦。戦争は臆病な少年はどう変えるのか？
監督はタイカ・ワイティティ。だから、軽いんです。楽しいんです。笑えるんです。
基本線は臆病な少年の成長譚であり、ジュブナイル。
敢えて言います。気軽に観てください。
しかし、舞台は終戦間近のドイツ。
当然戦争という現実が少年の寓話に侵食してきます。
そのあたりのさじ加減も上手く、『ライフ・イズ・ビューティフル』のような笑い泣きできる作品に仕上がっているんですよ。
戦争は国を優先し個を犠牲にします。
しかし、子供にだって個はある！
本作は子供を介した戦争論にもなっており、映画史上最もミクロな人間讃歌と呼べるかもしれません。
正直なところ、プロットにはご都合主義的な粗があります。
しかし、それを上回るエモーションに呑み込まれてしまい、わたくし号泣。
小難しいことは一旦置いといて、弱虫ジョジョのビミョーな冒険に旅立ちましょう！
(切ない物語だけど)なんやかんやで楽しいよ！
※おそらく脚本では脇役の描き込みが足りないと思います。しかし、サム・ロックウェルやスカーレット・ヨハンソンが、裏芝居で人物に厚みを持たせているんです。やっぱりいい役者は違いますね。
